夏休みが明けて2学期が始まると、幼稚園では、運動会に向けて準備が始まります。
ひときわ暑かった夏の名残の中で、時折吹き渡るさわやかな秋風・・・ふたつの季節が出会う時期・・・子どもたちはその季節の変化を感じながら、元気にかけっこやダンスに、プレイバルーン、そして、梅光学院幼稚園伝統の、年長児の竹馬を楽しんでいます。
その中で、竹馬は楽しいばかりではなく、乗れるようになるためには練習が必要です。
幼稚園で一番大きくなった自覚に後押しされ、先に乗ることができるようになった友だちに刺激を受け、親子で作った自分の竹馬と向き合っていきます。
その道のりは簡単ではありません。多くは自分との闘いです。
乗れない悔しさから、友だちの視線に敏感になり、やりたくない気持ちでいっぱいになる事もあります。おうちの方、先生、友だちの励ましの中で、再びやる気になり、落ちては乗り、転んでは起き上がり・・・はさんだ足の指は擦れてマメができ、やがてつぶれます。
ヒリヒリする痛みにも、子どもたちは、「せんせい、がんばりマメができたよ!!」と言いながらその痛みを口にすることなく、むしろ、誇らしげに自分たちで絆創膏を貼りまた練習するために駆け出していきます。
その表情や背中は、逞しく、輝いています。
そんな年長児の姿をじっとみている沢山の眼差し・・・年中・年少児です。その目はあこがれ色に染まり、きらきらしています。実はこの時から竹馬への取り組みは始まっているのですね。
乗れるようになることが「目的」ではなく、乗れるようになることを「目標」にして、そのために努力し、まわりに支えられる温かさを知り、時には葛藤し、友だちを励まし、思いやり、競い合う、そのプロセスこそ、この竹馬行進の大きな意味だと思うのです。竹馬を通しての子どもたちの育ちこそが、私たちの「目的」である事を忘れずに神さまに祈りながら日々歩んでいます。
この経験が、これから続いていく、一人ひとりの人生のうえに、しっかりと根差してほしいと願います。
今年の運動会も、子どもたち、一人ひとり、れぞれの思いが素敵に花咲くことでしょう。
楽しみです♪