幼稚園にやって来ると「幼稚園のお庭、行けますか?」「ブランコしたい」と言うこひつじグループ(2歳児親子クラス)の子どもたち。
でも、園庭に降りたら、あらら…今日は大好きなブランコの下に大きな水たまりが!
Hちゃんはしばらく船を泳がせていましたが、そのうち水たまりにそっと手を触れてみました。
お母さんは「Hちゃん、濡れちゃうよ」と言いかけて口をつぐみ、様子を見ることにしました。
するとHちゃんは手押し車を運んで来て、水たまりの水を汲み始めたのです。
「お水をのけてブランコに乗れるようにしているのかな」とお母さん。
次にNちゃんも、Nちゃんのお母さんも土を運んで来てくれます。お母さんは水たまりの中にその土をどさっと流します。「埋め立てるのね」と他のお母さんもワクワクしてきました。
そこへ、AちゃんもHちゃんもYくんもいつの間にか集まって来て、水を汲んだり土を入れたり、足でトントン固めたりし始めました。黙々と、でも楽しんで「お仕事、お仕事…」と言いながら作業が進みました。
Hちゃんのお母さんは「すごい!みんなが同じことしてるの、初めてですよね」とおっしゃいました。大人が手伝ったのは、土を一緒に入れたり見守ったりしただけ。あとは子どもたちがやりたくて集まってきました。このような姿が本来の”遊び”であると思います。それに気づくお母さんたちです。
この時期、友だちへの興味も持ち始めます。友だちと一緒に、同じ遊びでぐっと近くなれたような気持ちにもなったことでしょう。
とうとう、4つのブランコのうち、一つだけ埋め立てが完成しました。
「それではみんな、ブランコに乗ってからおやつを食べに帰ろうか?」
お母さんに見守られ、順番に一人ずつブランコを漕ぎ、子どもたちはおやつを食べに戻りました。
最初に始めたHちゃんは、友だちがみんな乗って楽しむのを隣でにこにこしながら見ていました。そして自分は一番最後にブランコを漕ぎ、お母さんと手を繋いで こひつじのお部屋に戻りました。
水たまりが回復し、友だちが喜んでブランコに乗ることも、Hちゃんの喜びなんだなと思いました。