朝バスに乗り込んで来たKくんがつぶやきました。
「お母さんが決めた…」
「何を?」
「着ていく服を決めた」
「自分で決めたかったのね」
「そう…」
娘が幼かった頃交わした朝のシーンと重なりました。朝の忙しい時間にどこのご家庭でもよくあることではないでしょうか?
「それで、Kくんはどんな服が着たかったの?」と尋ねると、
「う~ん、上は、まあ…お母さん(の選んだ服)とおんなじだったんだけどね…」
「そうか、お母さんと同じ服を選ぼうとしていたんだね。じゃあ、下のズボンは?かっこいいズボンはいているけど」
「これもね…好きなんだけどね…」
つまりKくんとお母さんは意気投合!お母さんの見立ては大当たりでした。それでもなんだかすっきりしなかったKくん。
これまで、バスの中で言葉数の少なかったKくんでしたが、その日、自分の思いを言葉で伝えてくれました。喜ばしく思うと同時に、発したことばの奥に「自分で選択したい」という心の育ちがはっきり見て取れました。子どもの育ちには、ちょっぴり親の「待つ」という忍耐が求められますね。
さて、一学期もあっという間に過ぎようとしています。神さまのお話をいっぱい聞いて賛美し、自分の好きな遊びや居場所を見つけ、Tsunae先生との英語を楽しんだ子どもたち。保護者のみなさまと教職員とで、そんな子どもたち一人一人の育ちを喜び認め合う時をおくりたいですね。幼稚園へのあたたかいご協力とお支えに心から感謝いたします。祝福いっぱいの夏休みになりますようにとお祈りしています。(副園長)