2008年、世界的な金融危機により、全世界に不況の波が襲ったとき、ノーベル経済学賞受賞者であるロバート・シラー教授は、「金融危機は金融システムの問題というよりは、人間の欲望が生み出した結果である」と言いました。彼は、経済というものは合理的な考えと理性的な判断ではなく「アニマル・スピリット」、つまり、動物的なスピリットによって働くと語っています。
人間に内在している欲望が、株式や不動産市場を非理性的に加熱させ、後には彼ら自身までも破滅に導くというのです。
欲望というものは動物が見るものです。人間のような霊的な存在は、動物のようにピラミッドのてっぺんに上ろうという野生的な衝動で、理性を麻痺させたりはしません。霊であられる主なる神様に従い、主の御心の前で自分自身をいつも点検しながら歩みます。
命のある間、私たちが人生を終える時まで夢見て願うことは、神様の御心の中での目標です。主が私をこの地に立てられ、何をすることを願っておられるのかを敏感に悟り、その御心どおりに人生を設計し、自分を合わせていくとき、私たちは真のビジョンの人となります。
ジョン・オーエン牧師は、「その人の欲望を見ればその人がどんな人であるかがわかる」と言いました。あなたはどんな人でしょうか。自分の時間の焦点は、今どこに合わせられていますか。この目的を正すとき、私たちの人生は、野望に染まってこの地で終わってしまう険しい人生ではなく、主なる神様の御心とこの世を結ぶビジョンの人生を生きることができるのです。
わたしは、こう祈ります。知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように。そして、キリストの日に備えて、清い者、とがめられるところのない者となり、イエス・キリストによって与えられる義の実をあふれるほどに受けて、神の栄光と誉れとをたたえることができるように。(フィリピの信徒への手紙 1章9節~11節)