羽化した二頭の蝶が、だいぶ乾いてきたのか、今にも飛び立ちそう…
でも、ケースをよじ登っては落ち、よじ登っては落ちと繰り返す
フタにしがみついている蝶のお手伝いしてあげようと手がのびる
ちょっと待って!
自分でがんばって飛び立とうとしているよ
お花のミツをあげようか! 誰かがそう叫ぶ
ケースに 花瓶のお花を”どうぞ”と そっと置く
あとは じいっと待つだけ…
がんばって…祈りをこめて
見つめるまなざし、力の込められる手…
わぁ~飛んでった!
オレンジ色の屋根の向こうに飛んでった!