「平和があるように」
「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」という言葉があります。この時期のアッという間の時の流れは、昔の人たちも同じように感じていたのでしょうか。たいへんな時期が続きますが、子どもたちにとっても私たちにとっても貴重なこの時を、できる限り大切に豊かに過ごしていきたいものです。
2月の聖句の中に「平和があるように」という言葉があります。ヘブライ語では「シャローム」です。シャロームは日常的にあいさつでも使われる言葉です。戦争や社会的な混乱のない平和だけを表すだけではなく、神と人との本来の関係性に支えられた心の平安も表します。イエスさまは弟子たちを伝道に遣わすときにいろいろとアドバイスをしておられますが、その中で「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい」とおっしゃいました。厳しい伝道の中で、初めて会う人々と弟子たちの間には、お互いに「何者だろう」という疑いの思いが生じたこともあるかもしれません。イエスさまは、こういう時は、相手からのあいさつを待つのではなくて「自分から心を開いてあいさつするといいよ」と伝えてくれたのかもしれません。
さて、時はアッという間に流れ、イエスさまが十字架につけられ不安と絶望の中で部屋に集まっていた弟子たちの前に、復活のイエスさまが現れます。「イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、『あなたがたに平和があるように』と言われた。」ルカ24-36 イエスさまは自ら「シャローム」のお手本を示してくださったのでしょう。イエスさまのこの思いを私たちも大切にしたいものです。 園長 松永 章