「読書の秋に」
酷暑と大雨、そしてコロナ、今年の夏は、個人としても、また社会全体としても大きな試練に見舞われた季節になりました。そのような中でも、空を見上げると夏の入道雲の傍に秋の雲かな?と思われる雲を見つけてホッすることが増えてきました。先日の夏期保育で出会った子どもたちは、この夏休みにずいぶん成長しているように感じています。2学期の園生活の中で、みんなで楽しく、いろいろなことにチャレンジする中で、どのように成長していくのかとても楽しみです。子どもたちが笑顔で「たのしい!」と思える、心がかよいあう活動を工夫していきたいと考えています。
さて、先日、ユーチューブで、『小さい針の音』(小川未明)の朗読がお勧めで出てきて、思わず聞き入ってしまいました。小川未明さんは、「日本のアンデルセン」とも呼ばれる、およそ100年前の童話作家さんで、たくさんの素敵な作品を残しています。『野ばら』という作品は小学校の教科書にも取り上げられています。
『小さい針の音』は、田舎教師の主人公が都会に出て社会的に成功していくお話ですが、田舎の教え子たちからプレゼントされた懐中時計を途中で手放してしまいます。さてどうなっていくのか・・・。物語は些細なエピソードの連続ですが、人間にとって大切なものは何か、とても考えさせられる内容でした。ある意味では、聖書の中でイエスさまが語られていることと通じるという感じさえします。
読書の秋です。大人はいつも忙しい。小さな子どもと過ごす時期は、特別に忙しい毎日と思います