夏休みに入る前、家で食べたスイカの種を一粒手のひらに乗せ、
「せんせい、このたねをうえて!!おとまりほいくのときに、みんなで
すいかわりしようや!!」
とびきりの笑顔でそう言う年長の男の子は、この種が実を結ぶ事を少しも疑うことはありません。
大人になってしまっている先生は、
種を植えるにはもう時期が遅いな とか、
一粒しかないから、発芽する可能性が低いな とか・・・。
つまらない事を一瞬考えてしまいましたが、彼の信じる気持ちに「それ!!」と乗っかって、小さな植木鉢の土の中にそっと寝かせました。
毎日楽しみにのぞいていましたが、なかなか発芽しません。
待つこと、10日余り・・・
なんだなんだ?おやおやおや?
この小さな芽は?
と思っていると、横から
「でた!!せんせい、でとるやん!!やった~」と
スイカの芽だと信じて疑わないまっすぐな言葉が・・・。
そうだったそうだった。これは間違いなくスイカだ!!!
そう信じる事ができる!!
あなたは、スイカ。きっとスイカ。スイカだったらどんなに素敵で、夢があるでしょう♬
一粒の種の可能性を子どもたちが信じることができる、そんな体験ができて素敵。
あなたがスカだったなら・・・。
すると・・・
じゃじゃ~ん
この通り!!大きくなった芽を畑に移植し、水やりをしながら
「すごいね!本当にすごい!!こんなに大きくなって。立派な葉っぱをつけたね」
と大絶賛しながら育てていると、黄色い花をつけました。
しかし、交配のタイミングがなかなか上手くいかない日々・・・
もはや、これまでか?!と思ったら、自然に交配したかわいい小さな実がちょこんと畑の隅に・・・
なんと愛らしい、なんと可愛らしい姿・・・
ふかふかの優しい毛に覆われてちょこん・・・
どうか、大きく育って とお祈りしました。
そして、しばらく、うっとりと見つめていました。
「ありがとう!!虫くん!!」こんな事をしてくれていたのか!!
人間の思いや、できる事なんて、なんてちっぽけなんだろう!!と自然の力や、仕組みのすばらしさに畏敬の念を感じながら子どもたちと楽しみに見守りました。
実はぐいぐいと見る見るうちに大きく育ちます。
そして、そろそろ食べ頃?
いや、もう少し?
よし!収穫しよう!! だめだ!欠席が多い・・・残念
なんてやっていましたが、ついに収穫♪
愛しい、小玉スイカちゃん♪
待ちに待っていた子どもたちが集まってきます。
わくわく・・・
でも、あれれ?
熟れすぎ~
すっぱいにおい・・・
「ほんと!なんかすっぱいニオイがするね」
とこどもたち。
残念ながら食べる事は出来なかったけれど、
熟れすぎるとすっぱいニオイになり食べることができなくなることがわかりました。
一粒の種の可能性・・・
手のひらの あんなに小さな種が、芽を出し、成長し、ちゃんとスイカが実り・・
それから、子どもたちが種に興味を持った事は言うまでもありません。
給食弁当のデザートのオレンジの種も・・・発芽し、立派に育っています。
「20歳になったら、オレンジの実を収穫に来てね!!」
そう、子どもたちに、伝え、わくわくしています。
聖書のお話を思い出します・・・
希望の種・・・