スピードスケート金メダリスト小平奈緒選手のインタビューの一言ひとことに、 感心しながらテレビに釘付けになりました。
特に“氷と対話する”ということばに はっとにさせられました。
小平選手の心と身体から湧き上がる力が氷の奥深くまで伝わって一体化していく姿を観ながら“対話する”の意味をあれこれ考えてみるのでした。
先日、絵本の部屋から園庭を見ると、Yくんが土の上にきちんと正座して遊んでいる姿が見えました。
近くに行ってみると、土と水を混ぜて小さな容器にたこ焼きを作っているところでした。小平選手が“氷と対話”しているように、Yくんは“土と対話”していました。
正座している姿はどこか厳粛で、土と水の混ざり具合の加減をしっかりと感じながら無心で遊ぶ愛おしい背中をしばらく眺めていました。
そこに向かい合うYくんは、まわりのことなど全く気にする様子もなく、ただ土と水とに集中し”対話”を楽しんでいます。
真剣な空気が漂ったのでしょうか、Yくんのまわりに子どもたちが一人二人と集まって来て、静かな遊びが広がっていきました。
何とも言えない安らぎの空間。
そうして、園庭を見回すと、あちらにもこちらにも目には 見えない神さまに守られて憩う子どもたちの姿がありました。
神さまとの“対話”は“祈り”でしょうか。
これからも神さまに愛されて生きていく子どもたちに 希望があることを確信しています。
(副園長)