残暑の残る園庭では、夏休みが明けて、一回り成長した子どもたちが元気に自分の遊びたい場所や友だち、玩具で今日も元気に遊んでいます。
いつも、ゆっくりと、じっくりと過ごしていて、控え目なHちゃんが、声を弾ませて「先生!!きて!!できるようになったよ!!」と私の手をとり、ぐいぐいと引っ張っていきます。
連れて行ってくれた場所は、三角屋根の遊具でした。
数日前、探検ごっこでクラスのみんなと乗り越えた、あの三角屋根です。
その時には、高くて怖くて乗り越えるときは先生と一緒でした。
1学期に登ったときには、「こわい」と、引き返す選択をし、途中で下りました。
その全ての経験がここに繋がったのでしょう。
途中で引き返した悔しさ、怖かったけど、支えられながら乗り越えた屋根の
てんっぺんの感覚。
今、目の前にいるHちゃんは、確かな足取りで屋根の傾斜を登り、あの頂を一人で乗り越え、向こう側の傾斜を下りています。
その姿は、出来るようになった喜びと自信で とても頼もしく見えました。
お迎えに来られたお母さんにも、もちろん見せていました。
そして、深~いことばをお母さんに言ったそうです。
「わたしは、あきらめることを やめたの。」と・・・。
心に染みることばでした。
4歳のHちゃんが自分の意志で登る事を諦め、自分の意志でもう一度チャレンジしてみたこと・・・
あらためて、すべての事には「とき」があること、また、その「とき」を待つ大切さを感じました。そして、子どもが自らの意志で行動する大切さも学んだ出来事でした。
ありがとうHちゃん。