「先生も一緒に森に旅に行こう!」と、すみれ組(年少)の子どもたちが誘ってくれます。その森とは、道路沿いの垣根のトンネルのことです。
図体の大きい私にとって、そのトンネルをくぐり抜けることは至難の業ですが、子どもたちは枝にひっかからないように何度も繰り返して挑戦し、今では上手に通り抜けられるようになっています。そのトンネルを通り抜けることを”旅”と呼ぶ子どもたち。
ある日、森の入口付近で、Aくんの隠していた大切なボールを見つけたBちゃんが「だれの?」と言って放り投げました。
Aくんは大きな声で泣いて抗議します。“しまった“と思ったBちゃんは思わず眉をひそめます。周りにいた3~4人の子どもたちも「あっ!」と顔がこわばり、困った顔。
そこで、すっとボールを取りに行くという行動に出たCちゃん。咄嗟の行動に、Aくんもすぐ泣き止み「ありがとう」とCちゃんへお礼を言いました。緊張が走った空気が緩み、安心しきって何事もなかったかのように、また、みんなで森へ旅に出かけました。
秋の深まりと共に、一緒に旅を続ける子どもたちは素敵な仲間になってきています。小さな出来事を嬉しく思うひとときでした。(副園長)