さわやかな青空のもと、子どもたちは、園庭で秋の自然に囲まれながら、元気一杯に遊んでいます。
さて、今月の聖句は、
「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」(ローマの信徒への手紙 12章15節)です。
この言葉は、使徒パウロという人がローマの教会の人びとに送った手紙のなかに書かれている言葉です。当時のローマでは、キリスト教に対する迫害が起こっていて、教会の人びとは大変だったようです。
この言葉を言い換えれば、喜び・嬉しさ・励まし・悲しみ・苦しみ・痛みを共感しなさい、ということでもあります。これを心理学の用語で「共感的理解」と言います。
まず「喜ぶ」という言葉は、新約聖書の原語であるギリシャ語によれば、「恵み」という言葉と関係があります。
神は、神から離れていた私たちをイエス・キリストの十字架の犠牲を通して、神のもとに召してくださり、救ってくださいました。ですから、その救いを喜ぶということは、すべての人にとって当然のことかも知れません。その神が与えてくださったさまざまな恵み、いつくしみ、愛、そして救いを共に喜ぶのは大切なことです。
次に「泣く人と共に泣きなさい」という言葉です。主イエスは、自己中心的なさまざまな弱さをもっている私たちを受け入れ、赦してくださったのだから、私たちも、お互いを受け入れ合い、赦し合い、喜びも悲しみも共にして、助け合って生きていくように、パウロは勧めていたのです。
園児たちは、聖書の御言葉に触れ、喜びながら賛美を歌います。そして、自然に触れ合う中で、探求心や好奇心がくすぐられ、たくさんのことを発見します。
このように神様に愛されている自分を感じながら、自分で遊びを創り出したりします。礼拝と遊びを通して、神と自分、友だちとの「共感的理解」を学んでいくのです。園児たちが他者と共感できる存在としてずっと元気に育ってほしいですね。
(園長)