「ママがいい~、ママのところに行く~」と先生に抱かれてAくんは大きな声で泣いていました。ふと空を見上げると、飛行機雲がまっすぐに描かれているのを見てピタリと泣きやみました。
しばらく雲を眺めていると、一直線の雲がじわじわと広がっていき、薄くなって消えていく不思議な様を「あれあれ、なくなったね~」とAくんが言葉にした時には、涙も消えていました。
ゆっくりとした時が流れていました。
“泣いていいんだよ”と心で祈りながら傍らにいると、どんな子どもにも「自分で!」という力が与えられていることに気がつきます。
「自分で決めたい」「自分でしたい」「自分で立ち上がりたい」…そんな声が聞こえてきます。その「自分で!」という気持ちの源は、これまで注いでこられた保護者のみなさまの愛情ゆえに生まれ出ること。信頼して園に送り出してくださっているみなさまの思いに重ね、さらに子どもたちに安心感を与え、支えていける保育者でありたいと願います。
新緑の美しい季節、子どもたちは、神さまの創造されたすばらしい世界を心と身体で感じながら「自分で!」遊びを見つけ、豊かな遊びを繰り広げていくことでしょう。(副園長)