ペットボトルの森の中は、採取した場所の土と、枯葉、そして
ナメクジのタマゴ。
「生まれたかなあ?」
ザルに出してみる。
し~ん。 「ん? 静か…。」
「そんな~。」
何にもいない。タマゴも、赤ちゃんも…。
待ち構えていた、年少のYくん、『もうちょっとその土を、ここに入れて』
そして、じっと目を凝らします。さし出した虫めがねを無言で受け取ると、指先で、用心深く枯葉をはぐり、土を掘ったり、探ったり。虫めがねを覗き込む横顔には、気迫すら感じます。
でも、どの時も、まるで、そこに、ナメクジの赤ちゃんがいるかのように、決して傷つけない位の、優しく、ふんわりした配慮深い指先。
小さな小さな命を愛おしむ事ができる、優しい心に出会いました。
日常の中で、子どもたちが、当たり前のように施す行為の中には、そんな、優しさが散りばめられています。