おまじない?
3学期の初日、お家の都合で、少し早目のお迎えのお友だちがいました。
丁度、外遊びの時間と重なりそうだから、外の、傘立ての上に、カバンを出して、遊びました。
時間になり、お母さんと手をつなぎ、早目に帰っていくお友だち。ニコニコの笑顔です。
それから少しして、傘立てを見ると、
あれあれ?また?
ちょこんと、カバンが置いてあります。
おっと もしかして、これは、何かの、おまじない?
あそこにカバンを置いておくと、早くお母さんがお迎えに来て下さるという…。
しばらくすると、その、おまじないの主が現れました。
年少の、Yくんです。
『せんせい、あのね、きょう、Yくん、おかあさんが早くお迎えやけ、あそこにカバンおいとくけ』と、うっすらと、目に涙を浮かべています。
『違うよ。今日は、Yくん、早お迎えじゃないよ』なんて、あの、おまじないをかけたYくんに言えるはずも無く、
『ん。わかったよ。』と先生。
きっと、それから、ずっと、心待ちにしていたのでしょう。
待っても待っても、来ないお迎えに、心は、どんどん しぼんでいき、ちょっとした事でも、涙が出ます。
お友だちから、水筒を触られた事も、早くタオルを取りに行くように促された事も、名前を、何度も呼ばれた事も、何もかもが悲しくて、涙がポロリポロリ…
そして、泣きながら、
『もう、Yくん、大きいけ、1人で帰るけ。
おかあさんは、こんでもいい。
1人で帰りたい…。』
残念…おまじない、効かなかったのかな?
そして、
待ちに待ったお迎えの時間、嬉し過ぎて、なんだか、照れながら、前のめりで、クネクネになって、真っ赤な顔で、大好きな、お母さんのもとへ。
『Yくん、今日は、1人で帰りたいそうなんですけど…』と、お母さんに伝えてみると、側にいたYくん、すかさず、大きい声で
『む~り~!』
で、満面の笑顔(o^^o)
よかったね。
また、明日ね!
きっと、あれは、お母さんに会った時に、いつもより、もっと、もっと、嬉しくなる、おまじないだったのかも…しれませんね。