ボクはウサギ。名前はチャム。
副園長先生と一緒に生活しているんだ。
ある晩、幼稚園の先生たちがみんなで、ボクたちの家においしそうなにおいと共にやってきたんだ。
おいしそうなにおいの素は、どうやら園長先生が作ったカルビというものらしかったけど、残念ながらボクはにおいを楽しむだけだったんだ。
チョッピリ悔しい思いをしながら、楽しげな会話に耳を傾けていると、ひときわ大きな声が聞こえてきたんだ。声の主は歴代の幼稚園のお友だちの中で「実は魔女だ」と噂されている先生。
話の内容は、あの話(『ないしょの小瓶』)の後日談のよう。
その話はこんな感じだった。
あの次の日、Tちゃんが「せんせい、開けた?」と聞いてきた。
当然、先生は「ううん、開けてないよ。」と答えると、「開けていいよ」とTちゃん。
翌日、またTちゃんが「せんせい、開けた?」と聞いてきた。
まだ、開けていなかった先生、思わず「うん」と口をついて出ちゃいました。
するとTちゃんから恐れていた質問が・・・
「なんて言っとった?」
普通なら動揺するこの質問だけど、そこは何百年、何千年と生きている魔女先生。
「それは、Tちゃんが入れたとおりの言葉が聞こえたよ。」と自然に答えます。
Tちゃん「そう、○○せんせい(年長の担任)は人魚!」
先生「し~っ、○○せんせいは人魚!だよ」
あの小瓶に、こんなすごい秘密が吹き込まれていたことをボクは知ってしまったのでした。
この秘密、ボクだけでは抱えられないので、こっそりみんなにもお話しするね。ぜったいにナイショだよ。